@ 酸,塩基のどちらと反応しても水素を発生する。
・酸との反応(例 アルミニウムと塩酸,亜鉛と塩酸)
〔 2Al + 6HCl → 2AlCl3 + 3H2 〕〔 Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2 〕
(無機化学の反応式 パターン3 金属と塩酸 ⇒ その金属の塩化物+α)
・塩基との反応(例 アルミニウムと水酸化ナトリウム水溶液,亜鉛と水酸化ナトリウム水溶液)
〔 2Al + 2NaOH + 6H2O → 2Na[Al(OH)4] + 3H2 〕(特殊な反応式なので覚える)
Na[Al(OH)4]:テトラヒドロキシドアルミン酸ナトリウム
〔 Zn + 2NaOH + 2H2O → Na2[Zn(OH)4] + H2 〕(特殊な反応式なので覚える)
Na2[Zn(OH)4]:テトラヒドロキシド亜鉛(U)酸ナトリウム
・Na[Al(OH)4],Na2[Zn(OH)4]について
それぞれ,Na+と[Al(OH)4]−,Na+と [Zn(OH)4]2ーのイオンからなる。[Al(OH)4]−や[Zn(OH)4]2−は錯イオンとよばれ,金属のイオン(陽イオンなので空の電子殻がある)の空の電子殻にOH−の非共有電子対が共有結合したイオンである(通常,共有結合は互いに電子を出し合うが,この場合は一方的にOH−の非共有電子対を金属イオンが共有している。この結合を特に配位結合という。)
[Al(OH)4]− … Al3+とOH−4つが配位結合 [Zn(OH)4]2− … Zn2+とOH−4つが配位結合
金属イオンに結合するOH−などの数は大体決まっている。例えば,Zn2+,Al3+,Cu2+,Ag+はそれぞれ4,4,4,2個である。そのため,Zn2+,Al3+はOH−と結合して[Zn(OH)4]2−,[Al(OH)4]−となる。
A 単体のときとできるものは同じ(AlCl3 ,Na[Al(OH)4]など)。
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